はじめての方は必読!2大中国語試験の「中検」と「HSK」の違いってどんなところ?
近い将来、アメリカを抜いて中国が世界最大の経済大国になるという予想されています。このような状況を踏まえると今からでも中国語を学ぶことは決して無駄なことではありませんし、すぐにでも始めたい語学学習であるともいえるのではないでしょうか。
より効率良く、そして長く学習を続けていくためには、学習者自身が中国語学習に対してしっかりとした目標や目的を持つことが大切です。
そういった時には、今回ご紹介する「中国語検定」や「HSK(漢語水平考試)」の習得を目標にして中国語学習を進めると、それを原動力にして努力を続けられるようになるでしょう。
それでは早速、2大中国語試験と呼ばれる「中検」と「HSK」という検定の基本情報や、これらの検定を受けることのメリットなどについて一挙ご紹介します。
目次
初心者必読の「中国語検定」について
「中国語検定」と、中国語に関する知識や能力、そして学習の成果を測るための検定試験です。
国内における中国語検定は「中検」とも呼ばれ、一般財団法人日本中国語検定協会が主催しています。さらに、中検は日本人向けの試験であることから試験用紙に記された中国語の文を日本語に訳す、といった問題が多く出題されます。尚、中国語検定は日中、そして中日の翻訳者として活躍したいという方が合格を目標にする試験ともいわれています。
中国語検定の基本情報
《試験実施の日程》
中国語検定の試験は現在(2017年9月現在)、年に3回(3月、6月、11月の第4日曜日)あります。尚、1級に関しては毎年11月に行われる試験日程に限り受験することができます。
《中国語検定のレベル》
中国語検定は、準4級、4級、3級、2級、準1級、1級という6つの級に分かれています。
最も難易度が高いレベルは1級で、中国語の専門家や翻訳家など、ビジネスや専門性の高い場所で中国語を使うといった場合にも何ら問題のないレベルとされています。
1級は中国語のネイティブピーカーであっても合格しないこともあるほどの難しい試験であることから、これまでの合格者は千人にも満たない超難関ともいわれています。
尚、中国語を必要とする企業への就職活動や転職活動に有利とされる中国語検定レベルは、2級以上とされています。2級以上の中国語検定に合格していることで、ビジネスの場面でも大変重宝される人材といえるでしょう。
《中国語検定の受験料》
中国語検定は、「郵送申込」と「インターネット申込」といった申込をする方法によって受験料が違います。
2017年度の中国語検定の受験料は「準4級は郵送申込3,100円、インターネット申込3,000円」、「4級は郵送申込3,800円、インターネット申込3,700円」、「3級は郵送申込4,800円、インターネット申込4,700円」、「2級は郵送申込7,000円、インターネット申込6,800円」、「準1級は郵送申込7,700円、インターネット申込7,500円」、「1級は郵送申込8,700円、インターネット申込8,500円」です。
中国語検定を受けるメリットとは?
いまや中国語は、英語に次ぐ最重要言語といっても過言ではありません。小さな頃から中国語に触れてバイリンガルを目指すのも良いですし、大人になってから中国語学習をスタートさせても決して遅くはないでしょう。
以下では、「中国語検定を受けるメリット」についてまとめています。
メリット(1)就職活動や転職活動に有利
中国語検定の2級以上を取得していると、さまざまな企業から重宝される人材だと評価され「就職活動や転職活動に有利」だといわれています。
そのため、これから就職活動を控えているという学生をはじめ、いま働いている会社を退職して転職活動を考えているという方にとっても、中国語検定で中国語の能力を証明できることは大きな武器になりますし、中国語検定を受けることのメリットともいえるでしょう。
メリット(2)ビジネスを円滑に進めるため
仕事をしながら中国語検定を取得しようと努力している方のなかには、ビジネスチャンスを掴むために中国語学習を始めるという方も多いようです。中華系企業との取引を行っている企業に至っては、中国語のレベルに応じて任せられる仕事内容や部署も異なってくるでしょう。
中国語検定に合格することを目標に中国語学習を続けていれば、仕事で使える中国語を必然と習得することができますし、「よりビジネスを円滑に進める」ことができるようになり、仕事上でのスキルアップや商談成立度のアップにもつながるかもしれません。
メリット(3)中国語学習の効果を確かめられる
中国語検定を受けることのメリットの一つに、「中国語学習の効果を確かめられる」というメリットがあります。
中国語を使ってさまざまな国の人たちと会話がしたい、さらには世界中に活動の場を広げたいといった目標を持った人にとっては、今の学習方法が自分に合っているのか、さらに効果は出ているのかということを中国語検定で確認することができるのです。
中国語検定を受けてうまく効果が現れていないと感じたときは、定期的に学習方法を工夫しながら、より効果の高い中国語学習を確立していくことが大事になるでしょう。
《中国語検定に関するまとめ》
発音や声調という基礎をマスターすることは、中国語学習をほぼクリアしたといっても過言ではありません。基礎練習の期間が長いと、すぐに効果が現れないと中国語学習に飽きてしまい諦めてしまう可能性も高くなります。
そのようなことに陥らないためにも、「中国語検定」の合格を目指すことで勉強への活力にしてみてはいかがでしょうか。
「中国語検定の2級以上は合格したい」といった明確な目標を持つことで、段階的にレベルアップを図ることができますし、目標達成のために諦めずに学習を続けられるといった効果もあります。
中国政府公認の「HSK」について
中国語学習をする目的として中国語の検定を受けたいと思っている方には、2大中国語試験の一つとして有名な「HSK(漢語水平考試)」の受験をおすすめします。
日本国内で有名な中国語検定と同じく、徐々に認知度が高まっているHSKは中国政府公認の世界基準の資格ということでも注目を集めています。
中国語の能力が必要とされる中国国内の企業への就職や教育機関では、HSKの成績がとても重要な評価ポイントだとされています。尚、ご自身の中国語の能力や実力を証明する為にも、公的証明であるHSKを使うことができます。
将来的に、中国国内の大学への進学や、中国を拠点にしている企業への就職を目標にしているという方は、HSK試験合格を目指して中国語学習を効果的に進めていくのが理想的です。
HSKの基本情報
《試験実施の日程》
HSK試験は2017年9月現在、毎月一度土曜もしくは日曜日の日程で行われますが、開催地は臨時追加されることもあるので詳しく公式ホームページでご確認ください。
《HSK試験のレベル》
HSK試験は、ライティング運用能力を図る筆記試験やスピーキング運用能力を図る口頭試験があります。
筆記試験は、1級、2級、3級、4級、5級、6級、6つの級に分かれていて、最も上級とされるのが1級です。口頭試験は、初級、中級、高級という3つのレベルに分かれていて、上級レベルは高級です。
HSK試験の筆記試験は1級~4級までは実施試験の点数が6割を上回れば合格とされていますが、5級と6級に関しては合否の判定はないことから、獲得した点数のみでレベルを図るのが特徴です。
HSK試験の6級にて高いレベルを獲得するためには、ビジネスレベルの中国語能力を有している必要があります。尚、中国国内の大学に入学するための最低基準として、HSK試験5級レベルが必要とされることが多くなっています。
《HSK試験の受験料》
2017年度のHSK試験の筆記試験の受験料は、「1級が税込3,672円」、「2級は税込4,752円」、「3級は税込5,184円」、「4級は税込6,264円」、「5級は税込7,992円」、「6級は税込9,504円」です。口頭試験の受験料は、「高級は税込7,344円」、「中級は税込5,832円」、「初級は税込4,752円」です。
HSKを取得するメリットとは?
日本国内で2大中国語試験の一つとしてその名が知られているHSK(漢語水平考試)ですが、実際に中国語学習を進めるうえでHSK試験の合格を目標に頑張ることのメリットは以下のような点です。
メリット(1)国際基準の試験で中国語レベルを図れる
HSK試験の最大特徴は、中国政府公認の中国語試験であるということです。そのため、「国際基準の試験で中国語レベルを図れる」という点がHSK試験のメリットでもあります。そして、HSK試験に合格することで、中国語学習の効果や中国語能力を証明することができます。
HSK試験で合格したレベルや獲得した点数は、世界的に信用度の高い指標として就職活動を有利に進めるための証明にもなります。そして、中国国内の大学受験資格を得るための証明としてもHSKのレベルや点数を活用することができます。
メリット(2)中国国内での活躍の場が広がる
中国国内では、中国語を母国語としない外国人の中国語能力のレベルを図るための手段としてHSK試験が活用されています。そのため、HSK試験で獲得したレベルや点数が高ければ、それだけ中国国内の企業から一目置かれる存在として高い評価を受けられるようになるのです。
HSK試験で証明された中国語の能力レベルによって、中国で活躍できるかどうかの分かれ目になるといっても大げさではありません。履歴書に書いてご自身の中国語能力をアピールするには「HSKの筆記試験5級以上」、そして「口頭試験であれば高級レベル」であることが理想的とされています。
メリット(3)HSKは世界的に認められている
HSK試験に挑戦することの長所として、「HSKは世界的に認められている」ということが挙げられます。
中国政府公認の外国人向けに作られた試験であることから、中国国内に限らず、世界中でHSK試験が実施されているのです。
HSK試験を受けて中国語能力を証明することができれば、それは世界共通で使える能力といえますし、異なる国の外国人同士がHSKのレベルによって中国語能力を比較し合うこともできます。
《HSK(漢語水平考試)に関するまとめ》
世界基準の中国語試験として有名なHSKは、中国国内への企業や大学への進学を目指す人にとって欠かせない資格です。
「いつかは中国に拠点を移してビジネスを行いたい人」、そして中国がアメリカを抜く経済大国になることを視野に入れて「これから中国語を学ぼうと思っている人」、「中国にある大学に進学したい」と考えている人など、日本をでて世界で活躍したいと考えている方はHSK試験の合格を目指して中国語学習を始めることをおすすめします。
HSK試験は、獲得した級や点数で自分の能力を把握することができますし、試験で証明された中国語レベルをご自身のアピールポイントとして活用することができます。
これから中国語を学ぼうと思っていて、何を目標にしようか考えている方は、ぜひHSK試験への合格を目標にしてみてはいかがでしょうか。
2大中国語試験!中検とHSKの違いって何?
「中国語学習の効果を高めるため」、「目標設定をしてやる気を高めるため」には、中国語の検定試験を受けることがとても効果的といえます。
中国語の検定試験にはたくさん種類があるため、何を受けたら良いかと迷ってしまう方も多いようです。
そのような時には、日本国内で2大中国語試験として名高い「中国語検定(中検)」や「HSK(漢語水平考試)」のどちらかの検定試験を選ぶのがおすすめです。
そこで今回は、中検とHSKの特徴をもとに、それぞれの違いについて以下でまとめています。
違い(1)試験対象者
中検とHSKを比べると、「試験対象者」に関する違いが見られます。
中検は一般財団法人日本中国語検定協会が主催する試験であり、主に日本人を対象にした中国語の検定試験ですが、その一方で、中国政府公認のHSKは中国語を母国語としない外国人を対象にした中国語の検定試験です。
違い(2)知名度
中検とHSKでは、日本国内と中国国内、そして世界各国における「知名度」を比べると大きな違いがあります。
主に、日本人を対象に中国語能力レベルを図るのが中検であることから、日本国内での中検は非常に知名度が高いといえますが海外ではほぼ無名です。一方、日本国内で中検の次に有名とされるHSKは、中国国内をはじめ世界的にも知名度の高い試験といわれています。
違い(3)難易度
中検とHSKは主催者が異なることから、それぞれのレベルや級によって「難易度」に違いがあります。
たとえば、中検は6つに分かれた級のうち1級が最も難易度の高い級であるのに対し、HSKでは1級は最も難易度が低く、6級が最も難易度の高い級に設定されていることからもその違いが分かります。
中検とHSKの難易度が高いとされる級をそれぞれ比較しても、その難しさは一定ではなく、どちらかといえばHSKよりも中検がより合格者が少なく難易度が高いとされているのです。
違い(4)試験内容
中検とHSKは全く異なる検定であると考えても良さそうです。
「試験内容」の違いに関しては、中検は筆記を中心に構成されている試験であるのに対し、HSKはリスニングや口頭を中心に構成されている試験になっています。各検定試験の内容が異なることから、中検試験向けの学習方法やHSK試験向けの学習方法がそれぞれ確立されています。
違い(5)有用性
「有用性」の違いは、それぞれの検定試験の結果をどのようなシチュエーションで、そのように使うかによっても異なります。
たとえば、中検は日本人向けに構成された試験であることから、日本国内での就職や転職に対しては、HSKよりも有利に働くことがあります。
そして、中国政府から公認されている国際基準のHSKは、中国国内の大学への進学や中国の企業への就職に対しての有用性が証明されています。
まとめ
今回は、中国語の2大中国語試験と呼ばれる「中国語検定」や「HSK(漢語水平考試)」について色々とご紹介しました。ここでの内容だけでも、これらの二つの検定は全く異なる種類の検定であることがご理解いただけたのではないでしょうか。
日本国内で中国語を使った仕事に就きたいと思っている方や、中国語学習の効果を知りたいといったときには「中国語検定(中検)」がおすすめです。その一方で、日本に限らず、中国国内や世界中で活躍したいと思っている方は、国際基準である「HSK(漢語水平考試)」にトライしたほうがより将来の役に立つ中国語学習ができるはずです。